ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 女子大学生はどこにいる?―日本の女子教育の現状と課題、の続き(中編)
2012年11月06日 (火) | 編集 |
前回は日本の大学生がどの程度どのような大学に在籍しているのかを見ました。今回は、日本の女子大学生がどこに在籍しているのかに焦点を当てていこうと思います。

偏差値

まず、上の表を活用して難関国立大学を見てみます。東京大学と京都大学の女子学生比率ですが、東大の女子学生比率は20%以下、京大も22%とかなり低い値となっており、日本の最難関大学に在籍する女子大生の人数はかなり少なくなっています。さらに、旧帝国大学を見ても、最も女子学生比率が高い大阪大学ですら約33%(これも旧外国語大学の学生を抜くとかなり値が小さくなってしまいますが…)と、大体30%前後となっています。確かに、東大・京大と比べて旧帝国大学の女子学生比率は高いものの、それでも30%に届くかどうかです。他の国立難関大学を見ても、東京工業大学ではその理系中心の学部構成も相まって11%と、極めて低い女子学生比率となっています。しかし、最も驚いたのは文系を中心とした学部構成となっている一橋大学でさえも女子学生比率は25%を割り込んでおり、女子大学生は一橋大生の4人に1人もいないという事になります。これらの値から難関国立大学におけるジェンダー格差はかなり大きなものとなっている事が容易に見てとれます。私立よりも国立、一般的な大学よりも難関大学で教育のリターンが大きくなる事を考えると、容易に労働市場でジェンダー格差が発生する事が想像付きます。

偏差値

次に、地方の国立大学を見ようと思います。日本の各地域から国立の総合大学をチョイスして上の表にしてみました。だいたいどこの地方の国立大学でも、旧帝国大学よりも高い女子学生比率となっており、40%前後となっています。ちなみに、国立大学全体での女子学生比率は35.7%となっています。この平均値とご紹介したいくつかの国立大学の女子学生比率から見えてくるのは、入学難易度によるものなのか大学の立地によるものなのかこのデータからは分かりませんが、いずれにせよ大学の難易度が上がるほど女子学生比率が低下しているようです。

偏差値

次に、難関私立大学での女子学生比率を上の表を使って見ていきます。東京六大学に所属する東京大学を除いた5私立大学での女子学生比率を見ると、立教大学で女子学生が過半数を占めている以外はどこも軒並み30%前半となっています。立教大学に加えて、上智大学やICU、いくつかの名門女子大の存在を考えると、早慶よりも下のランクの大学群ではかなり女子学生比率が高い事が予想されます。さらに、視野を地方の私立大学へと広げていくと異なった様相が現れてきます。関西地方の同志社大学・立命館大学では女子学生比率が30%後半まで到達していますし、東海地方の南山大学・九州地方の西南学院大学では、女子が過半数を占めている状況となっています。

私立大学には国立大学ほど明確な傾向を見出す事が難しいものの、こちらも早慶レベルの難関大学では女子学生の比率がやや低く、入学難易度が易化すると女子学生比率が上昇する感じがします。地方に目を向けると、旧帝国大学や国立大学に男子が向かう分、名門私立大学に女性が多くなっているような気がします。

偏差値

日本の女子教育の現状と課題」の中で、女性が大学へ進学しない事、STEM(Science, Technology, Enginering, and Mathematics)を大学で学ばない事、という日本の女子教育の課題に言及しました。しかし、日本の女子教育の課題はもう一つあります。それは、難関大学でのジェンダー格差です。上の表でいくつかの国のトップ大学と名門工科大学の女子学生比率を掲載してみましたが、日本の難関大学におけるジェンダー格差は他の国と比べてもかなり酷いものとなっています。日本は労働市場でのジェンダー格差が問題視される事がありますが、①女子の大学・大学院進学率を向上させる事、②女子の人文科学・サービス系への進学志向をSTEM系学部へと誘導して行く事、そして③女子高生の急激な学力低下を防いで難関大学でのジェンダー格差を解消する事、最低でもこの3つが克服されない限りは、どうやっても労働市場でのジェンダー格差を解消する事は出来ません。

とは言うものの、日本には数多くの女子大が存在していて、難関大学進学に影響を与えてるものと思われます。この影響を分析する事は難しいですが、女子大に焦点を当てるとまた色んな物が見えてきますので、次回は日本の女子大と女子大生を見てみようと思います。
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コメント
この記事へのコメント
③女子高生の急激な学力低下
「③女子高生の急激な学力低下」根拠のデータはどこになるのでしょうか?そうであろうと思いますが、日本のデータを見たことがありません。
2012/11/10(土) 00:54:08 | URL | 青木 #-[ 編集]
Re: ③女子高生の急激な学力低下
パネルデータで学力の推移を測定したようなデータは私も知らないのですが、SYNODOSの記事で提示した義務教育修了時点でのPISAでの男女の学力差と、難関大・理工医学部でのジェンダー格差を元にそう考えています。
2012/11/10(土) 11:00:24 | URL | 畠山勝太 #-[ 編集]
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