ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 ニコ生で話しきれなかった事、いじめについて②
2012年09月20日 (木) | 編集 |
ユニセフ本部の方から健康診断の再検査を命じられました…。まだしばらく住所不定無職として日本に滞在する事になりそうです。日本で特にやるべき事もなくなってしまったので、ブログの続きを綴っていこうと思います。

前回の続きで、ニコ生の場でちょっとお話できなかった、いじめについてです。いじめに対処していくために、いかに学校での死角を減らせるか?・いかに教育の場での人間関係を流動的なものにできるか?・いかにいじめの秩序がはびこる事を防げるか?、について教育行財政的なアプローチから何ができるか、考えた事を書き留めておこうと思います。



まず、学校の死角を減らす事について考えた事です。これについては第一に教員数を増加させる事が考えられるかと思います。日本は教員一人当たりのコストが高い一方、生徒当たりの教員数を少なく抑える、すなわち少数精鋭方式の教員政策を採っている事が特徴として挙げられます。少数精鋭方式の課題として、最近話題になっている教員養成の修士化の中でも触れられているのですが、教員が多忙になる点が挙げられます。採点の枚数が増えたりするのはもちろんの事、三者面談や家庭訪問の件数とそのための準備の時間が増えるし、授業内でも生徒一人一人を見られる時間は確実に減少したりします。

教員一人当たり生徒数が子どもの学力に与える影響は、低学年・社会階層が低い子どもたちには効果があるらしい、という2点を除いてはあまり良く分からないというのが恐らく実情です。しかし、教員の増配は子どもの学力には影響を与えなかったとしても、いじめを減らす事には貢献するのではないかな、と思いました。

まず、物理的に学校における教員の数が増えるので、いじめの秩序が前面に出てきやすい学校の死角は、空間的にも時間的にも、確実に減少するものだと考えられます。また、授業空間においても生徒一人一人に目を配らせられる時間が増えるので、これもまた授業中に隠れていじめの秩序が前面に出てくる事を防ぐ作用を持つ物だと考えられます。さらに、なによりも生徒一人一人の事を考えられる時間が増加するので、いじめの秩序が前面に出てくる事を予防できなかったとしても、いじめが発生した場合の早期発見につながるのではないかな、と現職の教員の方に話を伺いながら対談の資料を作成していて思いました。

ただ、仮に教員数を増加させる事が上記のような作用を持ったとしても、現在の日本では、この政策はかなり採用しづらい物となっています。というのも、教員は一旦採用したらそう簡単に雇用量を調整する事は出来ないので、一度この政策を実施したら、もう後戻りすることは出来なくなります。さらに、後戻りできない以上の問題点なのですが、日本は他国と比べて教員給与が高い水準となっており、教員数を増加させた時のコストがかなり大きくなってしまうので、極めてこの政策を採りづらい環境にあります。この点と関連してですが、教員給与の水準を高止まりさせておくことは、採りうる教員政策の幅を大幅に減少させてしまう、という点はまだあまり日本で認識されていないような印象を僕は持っています。。。

というわけで、財政難と高い教員給与を抱える日本には教員数の増加というのは難しい選択となってしまっています…。



前述のように日本ではリカレントコストをいじる事が難しくなっているので、学校の死角を減らす事について、キャピタルコストの点から教育行財政的にどのようなアプローチが出来るのか、考えてみます。

キャピタルコストの最たるものですが、学校の建物そのものを改築・新築して学校の死角を減らすという方法が考えられるかと思います。

つい先日、知人にオープンスクールと呼ばれる学校を案内して頂いたのですが、これは学校の死角が少ない建築方式だし、よくある学校建築よりもクラス制度の弊害(固定的な人間関係)を小さく抑えられるような印象を受けました。オープンスクールとはどういうものかと言うと、よくあるクラスごとに教室がある学校建築ではなく、クラス間の壁が取っ払われて、1つの学年が1つの空間を共有しているという物です。これであれば、休み時間中も教員が交互にその空間に残る事で、教室にありがちな死角が消滅するのではないかと思いました。このオープンスクールのように、いじめの秩序が前面に出てきづらい死角の少ない学校建築方式というのは確実に存在すると思います。こちらは教員の増員にも検討する価値がありそうな政策であり、今後推進されていくべきものかもしれません。この辺り既に誰かが研究していそうな気もするので、もしどなたかご存知でしたら教えて頂けるとありがたいです、ジンバブエ出発前の時間を活かして勉強しようと思います。

また、オープンスクールであれば、クラスを超えた人間関係も構築しやすく、教育の場での人間関係を流動的なものにする、という2番目の課題の解決策ともなってきそうな印象を受けましたが、この2番目の課題に対して教育行財政が出来そうな事についてニコ生の場へ準備して行った事、はまた明日にしようと思います。さてさて、ジンバブエへの出発はいつになります事やら…。
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コメント
この記事へのコメント
 いじめ問題についてこういう視点からの指摘はほとんど目にしないのでとても新鮮です。
 ひとつだけコメントしたいのは、これは批判でも何でもないのですけど、学校の死角はトラブルの温床であると同時に、いろんなチャンスの場でもあるんです。例えば体育館の裏は暴行や喫煙の場でもあると同時にロマンティックな場(告白とか)でもあります。死角が多すぎるのはいけないと思いますけど、死角がないというのはすごく居心地が悪いはずです。

 話は変わりますが、こちらのブログはとてもいい話が多いので、私のブログで紹介しようと思っています。よろしいでしょうか?
2012/09/21(金) 21:32:27 | URL | shira #-[ 編集]
Re: タイトルなし
>Shiraさん

死角がないと居心地が悪い、という具体例はとても参考になりました、その通りかもしれませんね。ただ、会社の場合を考えると死角がないと居心地が悪い、とは言えないと思うので、別の方法で学校の居心地を上げていくのがよいのかなと思いました。

このブログをどこかで言及するのは全然問題がないので、ご自由になさっていただいて大丈夫です。
2012/09/23(日) 23:06:35 | URL | RED #-[ 編集]
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