ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 日本企業の女性管理職は、なぜ少ない?
2013年01月11日 (金) | 編集 |
ジンバブエ生活も2カ月目に入り、順調に体重が落ちて行っています。雨季なのと(基本的に雨が降ると体調が悪い)、食当たりするのと(外食がかなり鬼門)、食欲が落ちるのと(洋食がダメ・タイ米もダメ)で順調に体力が奪われていっています、あまりこの仕事むいていないのやも。。。

インターネットを最も高い料金プランで契約したので、ワシントンDCに居た時とそれほど変わりなくネットを使えるので(停電時を除く)、結構日本のニュースも追えています。今日はちょっと女性の社会進出を巡り高市議員と野田議員(地元の岐阜選出です)が論争して、TBSラジオのニュース探求ラジオDigでも、女性管理職、なぜ少ない?と取り上げられたので、少し考えてみようと思います。

DIGの番組中では、主に労働環境の事が取り上げられ、男女雇用機会均等法についても言及されていました。確かに、日本の就学前教育の整備の悪さが女性の労働参加を阻んでいる側面は確実にあるでしょうし、労働環境にも問題があるのでしょう(日本で働いた事がないので、後者はイマイチよく分りませんでしたが。。。)。ただ、番組中で外国ではリクルーターが直接理系学部に来て女性をリクルートしていった、と言及されたにも拘らず、教育の側面から全くと言ってよい程日本企業の女性管理職が少ない理由が取り上げられていなかったので、少し考えてみようと思います。



これまでも現状の教育では、女性の労働参加を促し、女性の管理職を増やす事が難しい事は度々言及してきました。SYNODOSさんに寄稿したEducation at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題では、大卒及び院卒に占める女性の割合が、日本はOECD諸国の中で最低である事と、理系に占める女子学生の割合もOECD諸国の中で最低である事を指摘しました。

このブログでも、女子大学生はどこにいる?―日本の女子教育の現状と課題、の続き(中編)で、諸外国と比べて日本では難関大学での女子学生比率が極端に低い事、国公立大学での女子学生比率が低い事に言及しました。また、日本の女子大と女子大生―日本の女子教育の現状と課題、の続き(後編)では、女子大の存在が日本の女子教育を悪化させている一翼を担っている事にも言及しました。

よくぞまあここまで酷い女子教育の状況を放置したものだなぁ、と思いますが(国際機関で教育屋になると、ジェンダーと教育は絶対に避けて通れないので、この状況は看過する事ができないのです。。。ちなみに、今私が働いている部署も、Basic Education and Gender Equalityですし。)これは歴史的に見てもそうなのでしょうか?男女雇用機会均等法の話もでてきたので、20-30年前に遡ってみることにしましょう。



今回も使用するデータは世界銀行のWorld Development Indicatorsです。まず、DIGで女性国会議員の比率の低さが問題視されていたので、この指標についてデータが揃っている他のOECD諸国と比べてみましょう。
Presentation1_20130111183147.jpg
数値が入っているのが日本のデータです。確かに、1990年の1.4%というのは相当酷い値なのですが、まだこの当時は他の国を見ても、1/3以上の国で女性国会議員の比率が1桁台と、たいがいな状況でした。ところが、ほぼ全ての国が2000年、2012年と年が経つごとに劇的に女性国会議員の比率を上昇させてきたのですが、日本はこの流れに完全に乗り遅れてしまい、今でも1桁台をうろうろとしています。

次に男女の労働参加率の比率を見てみましょう。この指標は女性の労働参加率/男性の労働参加率で現わされていて、100を越えると女性の労働参加率が男性よりも高い、という事を意味します。またもや、数値を入れてあるのが日本のデータです。
Presentation2.jpg
女性国会議員の比率と似たような結果なのですが、1990年時点では決して良くはないものの、他の国々もたいがいな所が多いおかげで、そこまで酷い結果とはなっていません。ところが、この20年の間に他の国々では劇的に女性の労働参加が進んだものの、日本はここでもこの流れに乗り遅れてしまい、イタリア・韓国と共にOECD最下位グループを構築する一角となってしまいました。



最後に、高等教育における男女の就学比率を見ましょう。こちらは1970年からデータがあったので、1970年からこれまでの流れを見てみましょう。(余談ですが、仕事で教育統計整備をしているので70年からデータがあるという点に、やっぱり先進国は凄いなぁと感動してしまいました。。。)
Presentation3.jpg
他のデータと全く同じ傾向なのですが、1970年当時はどこの国でも女子の就学状況は良好なものではありませんでした。しかし、この40年間で大幅に女子の就学状況は改善しました。丁度、高等教育を受けた女子が社会に出て労働参加率を押し上げたり、国会議員の女性比率を押し上げたような形となっています。しかし日本はというと、完全にこの流れに取り残され、現在に至っても女子の就学状況は男子よりも悪いままです。



さて、ここで話を急遽ここジンバブエに飛すのですが、なぜ豊かだった国がジンバブエドルみたいなもので有名になってしまったかというと、様々な要因がありますが、白人が持っていた会社や広大な農地を黒人に分け与えたのも一因です。格差を是正したいという意図は良かったのですが、如何せんまともな教育を受けていなかったので、広大な農地や会社を与えられても、経営できるはずがなく経済が混乱に陥いっていきました。

また、私の所属している組織も基本的には3年に1回は転勤、しかも世界中のどこにいくかも分からないし、自分で空席に応募していくので、空席がなければ失職ですし、競争に負けても失職というなかなか厳しい労働環境となっています。そんな環境ですが、女性職員の方が圧倒的に多いですし、管理職にも数多くの女性を見かけます。そして、彼女達の多くは一流大学の大学院まで行っています。

これらの事を考えると、確かに労働環境の問題も大きいのでしょうが、現在の日本の女子教育の状況では女性管理職を増やすことなど無理な話ですし、上手くいくとも思えません。どうしてもクオータを割り当てなければならないのであれば、企業や国会議員以上に、大学に対して割り当てる事が求められると思います。他国が大幅に女子教育を改善し、女性の管理職を増やした(奇遇にも日本の失われた20年と合致するのですが。。。)のにキャッチアップするためにも、女子教育の推進をして頂きたいものです。



とは言うものの、これまでずっと女性上司の元で働いてきましたし、どうも途上国生活に向いていないようなので、日本に帰って働いてみても・・・、あ、日本から仕事のオファーが来たことがなかった。。。(苦笑)
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