ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 ハイパーインフレーション前夜の話
2012年12月21日 (金) | 編集 |
ようやく新居に引っ越し、インターネットもつながったので(月に230ドルぐらいと超高額なのですが。。。)、徐々に生活も落ち着いてきました。今回の話も、とあるジンバブエ国籍の白人の方(Aさんとしましょうか。)から聞いた話で、裏を取っているわけではないので、話半分に聞いてもらえればと思います。またゆっくり振り返って追々書いてみようとは思いますが、とある事情により現在私たち夫婦は一時的に経済的困窮に陥っています。。。どうしてもそれをAさんに伝えなければならなかったのですが、その時の話です。

ハイパーインフレーションが起きた事で有名なジンバブエですが、その引き金となったのは白人と黒人との格差を是正するためにとられたラディカルな政策でした。

20世紀のジンバブエはとても優れた農業国で、近隣諸国に農産物を輸出していたほどだったのですが、これは主に白人が経営する大規模農業によって担われていました。しかし、21世紀になると、格差是正のために白人の農場を没収するという政策が行われました。またこの時に企業経営などでも似たようなラディカルな政策が採られたようです。

2000年になってからこれまでに約4300人の白人農場主がその土地を追われたそうで、Aさんもその1人でした。Aさんの友人の中には、銃を突きつけられて「4時間以内にここから出ていけ」とか「1日以内にここから立ち退け」と所有していた農場から追い出された人もいたようです。Aさんも時間的に猶予はあったものの、配偶者の方が実際に銃を突きつけられたらしく、かなり怒りながらその話をしていました、まあ当然ではありますが。。。

Aさんの経営していた農場はそれなりの規模があって300人の黒人を雇用していたそうです。Aさん自体の被害も甚大なものがありますが、Aさんはそれ以上に300人の職が一気に無くなってしまったことを嘆いていました。同様のことは他の分野でもあって、Aさんの親戚(白人)が経営していた学校も、急遽閉校させられてしまったそうで、学校が無くなった子どもたちが教育を受けられなくなったことも深く嘆いていました。

さて、今回のブログのタイトルにハイパーインフレーション前夜とあるのですが、これまで白人が経営していた大規模農場を接収・配分した所で、農業経営の知識もない人ではとうてい大規模農場を運営していけるはずもなく、ここから経済が大混乱へと陥りハイパーインフレーションを迎えて、現在の80%という高い失業率へとつながっていくのです。

Aさんは、没収された農地についてそのお金を補填してもらえた人は全体の10%にも満たないことに強く憤っていました。また、お金を全く補填してもらえていない事に加えて、例えば政権が代わって没収の憂き目にあうならまだしも、1980年頃からずっと同じ政権で、同じ政権の間に方針が変わって没収の憂き目に遭うなど絶対に許せないことで、私の代では無理だとしても子どもの代までには絶対に土地を取り戻す、ととても強い口調で言っていました。普段はすごく陽気で、現在私たち夫婦が経済的に困窮しているのを助けてくれる本当に良い人なのですが、現在私たち夫婦が経済的に困窮している理由を聞いて、「だから黒人は…」と愚痴り始めて、さらにこの話へと結びついていったのにはとても驚きました。

ジンバブエでもちょっと高めのカフェなどに行くと、街中ではそれほど見かけない白人によって席が占められていることもあるので(豊かな黒人もそれなりにいるのでどちらかというとそのような場所も少ないイメージですが。。。)、経済格差がすごい国だなとは思うのですが、ひょっとしたら経済危機によって経済格差以上に精神的な断絶が深刻な問題になってしまったのではないかな、などと思いました。

これがアファーマティブアクション的な政策が抱える問題で、効率も落ちる上に心理的にも悪影響を及ぼす可能性があり、果たして本当にその政策が良かったのか、なかなか難しいところがあります。SYNODOSさんに寄稿した「Education at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題」でも指摘した点なのですが(今回の選挙で女性国会議員の比率も10%を割り込むという事態になっていますしね。。。)、アファーマティブアクション的な政策を採るよりも、基礎教育を充実させて決して親の世代の経済格差が子の世代の教育格差につながらない、ようにしていくことが大事なんだろうなと改めて思いました。今の職場は正にそれが出来る職場なので、頑張っていこうと思います。

ちょっと宣伝なのですが、女性差別・カースト差別がまだまだ残るネパールで、そんな今ある格差が未来へとつながっていかないよう不利な背景を持つ子どもたちを中心に質の高い有意義な教育を提供するべく「サルタック-Quality Learning for All」という団体を立ち上げました。もし我々の活動を支えて頂ける方や一緒に活動してみたいという方、少し興味があるよという方がいらっしゃいましたら、コンセプトペーパーをお送りいたしますので→SarthakShikshaJP@gmail.comまでご連絡下さい!
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