ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 早生まれはプロ野球で活躍できないのか?5.投手編&東大生と生まれ月
2011年12月18日 (日) | 編集 |
今回は早生まれの投手が投球成績においてどうなのかを見ます。

まず、各生まれ月の投手が合計でどれぐらいの投球回数を投げているのか下の表14で分析します。
表14
上の表では、投手一人当たりの平均投球回数は生まれ月によって偏りがないと仮定して検定をかけていますが、統計的に有為に投球回数は生まれ月によって偏りがあるようです。早生まれの投球回数が少ない一方で、特に4-6月生まれの投球回数が多いです。早く生まれた投手ほど(≠早生まれ)一人当たりの投球回数が多く、打者の打数とは異なる結果となっています


次に防御率を確認します。防御率は投手が1試合(=9イニング)投げたとしたら何点自責点を取られるか?という指標で、今シーズンの防御率は3.04と統一球効果が如実に現れた数字となっています。各生まれ月ごとの防御率は4-6月生まれは3.15、7-9月が3.02、10-12月は2.92、早生まれが3.02となっています。早生まれの防御率はほぼ平均と同じです↓
表15
投手一人当たりの失点数は統計的に有為に誕生月によって一律ではなく、4-6月生まれの投手の失点が目立ちます。しかし、投球回数辺りの失点を見ると統計的な有為性は見出せなくなり、4-6月生まれは投球回数が多い分失点も多いという程度に留まっています。


次は奪三振率です。下の表でまとめましたが、平均奪三振率6.86に対して、4-6月生まれは6.78、7-9月生まれは6.62、10-12月生まれは7.29、早生まれが6.70となっています。防御率と違い、奪三振は生まれ月によって統計的に有為に歪んでいます。4-6月生まれも早生まれもほぼ平均程度ですが、10-12月生まれが突出しています↓
表16


被本塁打についても見ましょう。被本塁打率は投手が9イニング投げた時に平均で打たれるホームランの本数です。平均が0.58で4-6月生まれが0.62、7-9月が0.57、10-12月が0.52、早生まれ投手が0.61です。この数字を見ると、統一球に変わって本当にホームランが激減したことが見て取れます。また、ここでも4-6月生まれ投手の成績が最も悪く、10-12月生まれの成績が最もよくなっています。が、これも統計的に有為な水準とまでは言えません↓
表17


次に、セイバーメトリクスでよく使われ、大リーグの球場でも投手の指標として防御率と共に現されているぐらいメジャーなWHIPを見ようと思います。WHIPは1イニングにどれだけヒット・四球でランナーを出してしまうか?という指標です。ですが、WHIPを算出するためにまずは被安打と四球の数が必要なので、これらについて考察します。

下の表18は投手の生まれ月ごとの被安打数の合計です↓
表18
表で計算されているように、被安打数は10%水準で統計的に有為に生まれ月の間で一律ではないことが分かります。早生まれは極めて平均的な数字を残しています。その一方でやはり4-6月生まれの投手陣が、理論値よりも100本以上も多くの安打を打ち込まれており、よく打たれていることが分かります。また、10-12月生まれ投手陣はここでも優秀な成績を示しています。

次に、四死球の数を下の表19で観察します。
表19
四死球の数も被安打数同様10%水準で統計的に有為に生まれ月によってその数が歪んでいます。早生まれは他の生まれ月の投手と比較するとややノーコンピッチャーが多いようです。また、またしても10-12月生まれ投手陣は極めて優秀な成績を残しています。4-6月生まれの投手陣はコントロールは標準的なようです。

それではWHIPを下の表20で観察します。WHIPでは死球の数は考慮しないため、四死球を計算した上の表19とは値が異なっています↓
表20
WHIP平均は1.19で、4-6月生まれは1.23、7-9月生まれは1.18、10-12月生まれが1.14、早生まれは1.21となっています。やはり、10-12月生まれが抜群の成績を残し、4-6月生まれと早生まれの投手陣の成績が少し悪いようです。



こうして投手系の指標をいくつか分析してみましたが、野手陣の打撃成績ほどには顕著に生まれ月によって成績が歪んでいませんでした。その中でも、10-12月生まれの投手陣が良い成績を収め、打撃成績と異なり早生まれの成績は平均よりも若干悪く、打撃成績と同様4-6月生まれの成績は悪いものでした

投手と野手の成績を分析してみると、早生まれは確かに選手数は少ないものの一軍の試合に出るようになれば、他の生まれ月と変わらない成績を残すことが分かりました。この事は早生まれの運動神経が4-6月生まれと比べて悪いというわけではなく、相対年齢効果が残る段階で選抜が行われたり、自ら諦めてしまう事で、早生まれのプロ野球選手が少なくなってしまっている事を示唆していると考えられます。

その一方で、4-6月生まれの選手は、1年間の肉体的・精神的・頭脳的アドバンテージを活かし、そのアドバンテージにより自信を持ち、野球名門校への進学などの選抜過程を潜り抜け、多くプロ野球選手になっているのですが、1軍で出場するぐらいの年齢になると、1年間の肉体的・精神的・頭脳的アドバンテージが相対的に小さいか殆どなくなってしまっており、イマイチ活躍できていない選手が多いようです。



これらの結果から考えると、相対年齢効果は早生まれにはもちろん不利に働くのですが、生まれ月が早い4-6月生まれに対しても、本来の実力以上のシグナルを持たせる役割を果たしているのかもしれません。これは、スポーツだけではなく、勉強面にも言えることかもしれません。プロ野球を目指すには中学時点で野球の名門高校に選抜されなければ難しいように、東京大学の学生の7割が中高一貫校出身者であるように、小学校高学年の時点、遅くとも中学卒業時点には名門高校に選抜されなければ極めて狭き門となります。この事から推測されるのは、やはり東京大学には早生まれの学生が少なく、東京大学卒業してるのに…とけちをつけられる卒業生は4-6月生まれが多いのかもしれません。この議論、僕自身は3月生まれ・公立高校出身・現役で東京大学に入学したので主観的には全然ピンと来ず、データもないし正直言って全く自信のない主張なのですが。。。

婚約者様がまだ日本滞在中なので、暇つぶしシリーズをもう少し継続して1950年以降の打撃タイトル(首位打者・ホームラン王・打点王)と投手タイトル(最優秀防御率・最多勝・最多奪三振)獲得者の生まれ月を見ることとします。データは用意してあるのですが、王さんの傑出度には正直驚きました。。。
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