ジンバブエでの生活の事や途上国や日本の教育政策の事について書いています(ここでの見解は個人の見解であり、所属団体の見解ではありません)
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 TOEFL導入の報道から日本の英語教育について思った事
2013年03月28日 (木) | 編集 |
最近気になったニュースの一つに、自民党の教育再生実行本部が大学入試にTOEFLを活用する方針を固めた、というのがあります。僕は語学教育の専門家ではないので、大学入試の英語がTOEFLに置き換わるとどうなるか?というのは良く分かりません。ただ、大学入試へのTOEFL導入とほぼ同時期に国Ⅰの採用試験でもTOEFLを活用するという話まで出てきていて、さすがにちょっと違和感を感じたので、少しそれについて書いてみようと思います。



大学入試でも基本的に外国語といえば英語だし、キャリア官僚の採用に際しても英語力を見るTOEFLを活用する程(大学時代に語学で可しか取った事がなく、むしろ必修の英語に至っては「不」可を取って留年しかけたような私でさえ、もう5年間も国際機関で働いているのですから、日本で官僚になられる優秀な方々なんて、別にTOEFLなんか課さなくても業務で英語を使わせれば直ぐできるようになると思うのですが…)、日本では数ある外国語の中でも「英語」のみが突出して重要視されています。ただ、学生のほぼ全員に学ばせたり、国を背負って立つキャリア官僚候補生の方々全員に課すほど、英語の重要度は高く、その重要性も増加傾向にあると言えるのでしょうか?正直、私の主観ではそこまでするほど英語の重要度は高くないという印象なので、話者人口・公用語とする国の経済規模の点から、日本の英語教育について少し考えてみようと思います。

まず、世界主要11言語の話者人口を見ていこうと思います。データはEthnologueというサイトから引っ張って来ました。
プレゼンテーション1
上の図は、世界主要11言語についてそれぞれを第一言語としている人口の推移を表したものです。中国がダントツの一位で、約12億人が第一言語としているだけでなく、図には載せませんでしたが、中国語を第二言語とする人口も、第二言語人口の中で最多で、約1.8億人が中国語を第二言語としています。ここジンバブエでも見かけるし普段のお買いもので大変重宝させて頂いているのですが、世界中に華僑が散らばっているのを見るとさもありなんといった感じでしょうか。

英語はというと、世界第三位の話者人口を誇り、その数は約3.35億人となっています。英語を第二言語としている人口もかなり多く、約1.7億人もいます。確かにこの英語話者の人口を見ると、日本で英語がとても重要視されるのも分かるような気になって来ます。

他に注目すべき言語として、スペイン語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語、の4言語を挙げる事ができます。これらの4言語は、このわずか15年ほどの間で第一言語とする人口が約20%以上も増加している言語です。この4言語の中でも特に注目すべきはヒンディー語とアラビア語です、これらの言語は、それぞれ1.2億人、2.5億人という莫大な人数が第二言語として使用しています。この2つの言語を駆使する人口は直に英語を使う人口を追い抜くでしょうし、スペイン語に至っては、近い将来アメリカ国内でスペイン語を話す人口が英語を話す人口を上回るという話が象徴的ではあるのですが、英語との差をどんどん離していく事でしょう。



次に、主要11言語を公用語とする国々の経済規模についても見ていきます。公用語が2つ以上ある国をどうやって分類すればよいのか良い方法を思いつかなかったので、公用語が2つ以上ある国についてはそれぞれの言語でカウントしてみました(例:シンガポールのGDPは中国語でも、英語でもカウントされています。)。アメリカのように首都の公共交通機関でさえスペイン語が使われる位の国を英語のみでカウントするのは若干気が引けるのですが、広く使われていても公用語ないしはそれに準じる立場にない場合はその言語からは排除しました。といった理由から合計すると100%を超えているかもしれませんが、ラフな経済規模として見てもらえればと思います。GDPのデータはかつての私の勤務先である世界銀行のWorld Development Indicatorsから持ってきています。
プレゼンテーション1
上の図は、各言語を公用語とする国々のGDPが世界全体のGDPに占めている割合を示しています。グラフから一目瞭然なのですが、改めてみると英語が圧倒的に強い事が分かります。ただし、1985年を頂点として、だんだんその割合を減らしてきている点に注意が必要です。この主な要因として、他の言語が経済規模を伸ばしている点が挙げられます。やや上のグラフではそれが分かりづらいので、英語を除いたグラフを下に用意しました。

プレゼンテーション1
この10年ちょっとのトレンドを見ると、フランス語・ドイツ語の経済規模はほぼ横ばいからやや減少傾向にあるものの、中国語の経済規模が爆発的に成長し、スペイン語・ポルトガル語・ロシア語・アラビア語・ヒンディー語といった言語の経済規模も手堅く成長してきています。これは、世銀の本部にいた時に肌感覚で感じられたのですが、南米の多くの国が高中所得国になってきているように、スペイン語が主に使われる南米の経済がかなり成長してきています。さらに、中国語・ロシア語・ポルトガル語・ヒンディー語を使うBRICs諸国も急速な経済成長を成し遂げ、リーマンショックや中東の春の影響を受けたもののドバイに象徴されるようにアラビア語を使う中東の経済成長も目覚ましいものがあります。



かなりラフに英語話者人口と英語を使う国の経済規模の割合とその推移を見てきましたが、冒頭の私が感じた違和感の所へ話を戻していきたいと思います。大学受験へのTOEFLの導入や、国ⅠへのTOEFLの導入に見られる様に、近年日本で急速に英語教育への注目が増しているように感じられます。英語圏が強かった1980年代や90年代にこの流れが起きるのならまだ理解できるのですが、2010年代になってこのような流れが起きるのはやや解せない所があります。

丁度私が世界銀行を去る前に総裁が交代したのですが、世銀の総裁選ではこれまで代々白人のアメリカ人が無風で当選してきたそうです。しかし、今回の総裁選では途上国から対抗馬が立ち、アメリカも韓国系アメリカ人を立てざるを得ない状況になりました。また、私が働いていた部署のDECのトップも代々先進国出身の白人の方ばかりだったのですが、私が働いていた時期に初めて途上国からリクルートされてきた方が就任されました。これらが私の世銀時代の印象を総括するような出来事だったのですが、世銀の本部で4年間働いてきた肌感覚として、非欧州・非アメリカ、ひいては非英語圏の台頭が物凄い4年間だったなという印象があります。昨日合意されたBRICs開発銀行の設立のニュースなんかも象徴的な出来事ですね。

どんどん多角化して行くこの世界にあって、教育や官僚採用において色々な言語ではなく未だに英語に一点張りする日本の姿は、この10数年で世界シェアを急落させた姿とも重なって見え、さらに凋落して行くのではないかと心配になりました。ひょっとしたら、英語教育に力を入れたグローバル人材の育成というターゲットは、英語圏の今後によっては、ただ日本語・英語圏で働けるだけのローカル人材の育成に終わってしまう可能性すらあります。

10数年後世界がどうなっているか?と言われても全く予想がつきません。ひょっとしたら英語圏が盛り返しているかもしれないし、中国・南米・中東、ワンテンポおいてフランス語圏アフリカが急速に成長してどんどん英語圏のシェアを削っていくかもしれません。少なくともリスクの高い英語教育一点張りをするよりは、リスク分散のために英語以外の言語を学ばせる層や官僚を作っておいた方が安全ではないかなと思います。まあ、国際機関はかなり多文化共生を重視しているので、国際機関以外で働いた事が無い私のバイアスがかかったただの杞憂で終わってくれればそれはそれで良いのですが。。。
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 実物のジンバブエドル
2013年03月21日 (木) | 編集 |
以前ご紹介したのですが(ハイパーインフレーション後のジンバブエでの買い物の様子)、現在ジンバブエは複数通貨制度を取っており、主に南アフリカランドと米ドルが流通しています。例えば、郵便局で切手を買うと、米ドルで代金を支払うのですが切手の額面は南アフリカランドになっていたりするのが典型例です。

主に米ドルと南アフリカランドと書きましたが、大きなスーパーではボツワナの通貨も、イギリスのポンドも、ユーロも使えるという状況です(日本円は銀行での両替すら無理ですが。。。)。中国人のこの地でのプレゼンスを考えると、近い将来きっと中国元も使えるようになるのではないかと思います。



このような感じなので、日本でもとても有名なジンバブエドルはもう使われていませんし、日常生活をしていて見かける事も一切ありません。しかし、この前我が家に青年海外協力隊の方々をご招待した時に、ご丁寧にも昔のジンバブエドルをお土産に持ってきてくれて、かつジンバブエドルを今でも入手できるお店を教えて頂きました。

DSCN0832.jpg
というわけで、上の写真は青年海外協力隊の方々がくれた、2001年当時に発行されたジンバブエドルです。10、20と書いてありますが、これは10セント・20セント硬貨です。当然と言えば当然なのですが、2001年当時はまだこういった小額の硬貨に対する需要があったわけですね。

そして今週探検がてらとあるマーケットをぶらついてみた所、日本で言う骨董品屋みたいな所があって、そこに実物のジンバブエドルがあったので、購入してみました。

ジンバブエドル1

ジンバブエドル2

上の紙幣は2007年に発行されたものです。

ジンバブエドル3

DSCN0872.jpg

上の紙幣は2008年に発行されたものです。

DSCN0833.jpg

そして上の写真は、発行された中で最も高額である100兆ジンバブエドル札です。その他のジンバブエドルを入手したマーケットとは別の繁華街の、とある時計屋さんで1枚2US$で売っていました(協力隊の人達はどこでそんな情報を入手してきたのでしょうか、凄い情報網ですね。。。)。このようにいざジンバブエドル札を目の当たりにすると、わずか7年でセント硬貨の需要があった国が100兆ドル紙幣を発行することになるとはと、改めて驚きを感じざるを得ません。

また、世界史の教科書で習うドイツのハイパーインフレだと、お金を山のように積んで買い物をする写真なんかが掲載されていると思うのですが、このジンバブエドルがほぼ未使用の新品である事が示唆するように、ジンバブエのハイパーインフレ下ではお金を刷るのが間に合わず、殆どこの手のジンバブエドルは市中に出回らず、物々交換の経済がメインになっていったようです。

この夏には選挙が控えていて、外務省さんの方からも注意喚起が出ているのですが、何事もなくスムーズに物事が運び、二度とハイパーインフレのような悲劇を経験せずに順調に経済発展していってくれる事を願っています。

おまけ
ジンバブエがまだ南ローデシアだった頃の紙幣も発見しました。店員さんも触る事をかなり躊躇していたぐらいなので、貴重な品のような感じがします。この骨董品屋の店員さんは値段をふっかけてくる事も無く、丁寧に説明もしてくれたので、掘り出し物を求めてちょくちょく通ってみようと思います。。。
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 抗議の声すらあげられずに死んでいく女の子たち―インドの人口データから
2013年01月14日 (月) | 編集 |
昨年末にインドでバスに乗車していたカップルが襲われ、襲われた女子学生がレイプされた上に殺されてしまった悲しい事件が日本でも報道されました→頻発するレイプ事件に怒り拡大、連日抗議デモ インドの女子学生死亡。残念な事にまた同様の事件が起きて、Yahoo Newsのトップで報じられていました→インドのバスでまた集団強姦事件、6人逮捕。これらの事件を機に、日本でもインドの深刻なジェンダー状況がかなり報じられるようになってきました→レイプだけでない!嫉妬、報復…女性への凶行やまぬインド

ただ、これらの一連の報道を見ていると、女性に対する暴力(Violence against Women)ばかりが取り上げられて、インドが抱えるもっと深刻なジェンダー問題、すなわちこれらの記事に出てくるように抗議の声を上げる事すら出来ずに死んでいく女の子たちの存在があまり取り扱われておらず、ちょっと気になってしまったので、インドの人口データを紹介しようと思います。いつも通りデータの出所は世界銀行のWorld Development Indicatorsです。



まず、出生時の男女の比率を見てみましょう。僕も教育が専門で人口が専門ではないのでイマイチ原理は良く分かっていないのですが、女の子よりも男の子の方が体が弱くすぐ死んでしまうため、男の子の方がやや多く生まれてくるらしく、出生時の男女比は51:49ぐらいになるそうです。つまり、大体男の子が1000人生まれるとすると女の子が960人ぐらい生まれてくるそうです。

とは言うものの、一人っ子政策を採っていた中国何かが良い例なのですが、女の子よりも男の子が望まれるケースがあるために(胎児が女の子だと分かると中絶してしまうケース)、1000:960よりもやや低い値になる事がそれなりにあるようです。ちなみに、日本のそれは1000:947ぐらいとなっています。ではインドはどうでしょうか?参考までに、日本・先進国平均・低所得国平均・インドの近隣諸国であるブータンとバングラデシュの値も載せておきました。

プレゼンテーション1

上の図から一目瞭然ですが、インドは他の国よりも男女の出生比率が歪んでおり、明らかに生まれてくるべき女の子が生まれてきていない状況が見てとれるかと思います。



次に5歳未満死亡率を見ていこうと思います。男女別の値を見る前に軽く世界では5歳未満死亡率がどの程度なのか把握するために、先ほどの国々の値を見てみます。

プレゼンテーション1

上の図が各国の5歳未満死亡率なのですが、日本は5歳未満児が1000人いたとするとその内の3人ほどが5歳の誕生日を迎えることなく死んでしまいます。この値は先進国平均の6人よりも随分少なく、如何に日本の医療が優れているかが良く分かるかと思います。問題のインドですが、近隣諸国よりも高い値を示しており、1000人中61人の子どもが5歳の誕生日を迎えることなく死んでしまいます。イマイチ分かりづらい数字かもしれませんが、小学校で40人学級だった人はそれなりにいると思いますが、クラスメイトの中、2人は小学校にたどり着くことなく死んでいる計算になります。もっと実感するための具体例をあげると、小学校のクラスメイトの中体が弱そうだった人を2人思い浮かべてもらったとして、その2人はインドだったらあなたのクラスメイトになる事もなく亡くなってしまっている、といった感じでしょうか。

次に、5歳未満死亡率の男女比を下の図を使って見てみようと思います。

プレゼンテーション1

出生時男女比の所でも言及したのですが、基本的に男の子の方が体が弱いらしいので、5歳未満死亡率の男女比を見ても殆どの国で男の子の方が高くなっています。日本でも5歳未満の男の子が1000人亡くなったとすると、女の子は888人しか亡くならない計算になります。他国や他の地域でも同様で、男の子が5歳未満で1000人亡くなった場合、女の子は大体900名前後亡くなる計算になります。

しかし、インドは世界的にもかなり稀な国に位置付けられるのですが、5歳未満死亡率の男女別の内訳を見た場合、男の子よりも女の子の方が数多く5歳の誕生日を迎えられていない状況となっています。



このようなインドの人口データを紹介してみましたが、もちろん、この世に生まれてくる事が出来なかった女の子達は、産声すらあげる事が出来なかったわけですから、ジェンダー不平等に対して抗議の声を上げることなんて出来るわけがないですし、5歳の誕生日を迎えることなく死んでしまった女の子達も、ジェンダー不平等が無ければ死ぬ事もなかったなんて認識する前に死んでしまっていますから、抗議の声すらあげられずに亡くなってしまっています。

日本の報道ではインドで女性のジェンダー不平等に対する抗議活動が取り上げられていますが、人口データから見るその実態はより深刻で、抗議の声すらあげられずに死んでいった女の子達がインドには数多くいます。一日でも早くそんな状況が改善されると良いですね。
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 日本企業の女性管理職は、なぜ少ない?
2013年01月11日 (金) | 編集 |
ジンバブエ生活も2カ月目に入り、順調に体重が落ちて行っています。雨季なのと(基本的に雨が降ると体調が悪い)、食当たりするのと(外食がかなり鬼門)、食欲が落ちるのと(洋食がダメ・タイ米もダメ)で順調に体力が奪われていっています、あまりこの仕事むいていないのやも。。。

インターネットを最も高い料金プランで契約したので、ワシントンDCに居た時とそれほど変わりなくネットを使えるので(停電時を除く)、結構日本のニュースも追えています。今日はちょっと女性の社会進出を巡り高市議員と野田議員(地元の岐阜選出です)が論争して、TBSラジオのニュース探求ラジオDigでも、女性管理職、なぜ少ない?と取り上げられたので、少し考えてみようと思います。

DIGの番組中では、主に労働環境の事が取り上げられ、男女雇用機会均等法についても言及されていました。確かに、日本の就学前教育の整備の悪さが女性の労働参加を阻んでいる側面は確実にあるでしょうし、労働環境にも問題があるのでしょう(日本で働いた事がないので、後者はイマイチよく分りませんでしたが。。。)。ただ、番組中で外国ではリクルーターが直接理系学部に来て女性をリクルートしていった、と言及されたにも拘らず、教育の側面から全くと言ってよい程日本企業の女性管理職が少ない理由が取り上げられていなかったので、少し考えてみようと思います。



これまでも現状の教育では、女性の労働参加を促し、女性の管理職を増やす事が難しい事は度々言及してきました。SYNODOSさんに寄稿したEducation at a Glanceから見る日本の女子教育の現状と課題では、大卒及び院卒に占める女性の割合が、日本はOECD諸国の中で最低である事と、理系に占める女子学生の割合もOECD諸国の中で最低である事を指摘しました。

このブログでも、女子大学生はどこにいる?―日本の女子教育の現状と課題、の続き(中編)で、諸外国と比べて日本では難関大学での女子学生比率が極端に低い事、国公立大学での女子学生比率が低い事に言及しました。また、日本の女子大と女子大生―日本の女子教育の現状と課題、の続き(後編)では、女子大の存在が日本の女子教育を悪化させている一翼を担っている事にも言及しました。

よくぞまあここまで酷い女子教育の状況を放置したものだなぁ、と思いますが(国際機関で教育屋になると、ジェンダーと教育は絶対に避けて通れないので、この状況は看過する事ができないのです。。。ちなみに、今私が働いている部署も、Basic Education and Gender Equalityですし。)これは歴史的に見てもそうなのでしょうか?男女雇用機会均等法の話もでてきたので、20-30年前に遡ってみることにしましょう。



今回も使用するデータは世界銀行のWorld Development Indicatorsです。まず、DIGで女性国会議員の比率の低さが問題視されていたので、この指標についてデータが揃っている他のOECD諸国と比べてみましょう。
Presentation1_20130111183147.jpg
数値が入っているのが日本のデータです。確かに、1990年の1.4%というのは相当酷い値なのですが、まだこの当時は他の国を見ても、1/3以上の国で女性国会議員の比率が1桁台と、たいがいな状況でした。ところが、ほぼ全ての国が2000年、2012年と年が経つごとに劇的に女性国会議員の比率を上昇させてきたのですが、日本はこの流れに完全に乗り遅れてしまい、今でも1桁台をうろうろとしています。

次に男女の労働参加率の比率を見てみましょう。この指標は女性の労働参加率/男性の労働参加率で現わされていて、100を越えると女性の労働参加率が男性よりも高い、という事を意味します。またもや、数値を入れてあるのが日本のデータです。
Presentation2.jpg
女性国会議員の比率と似たような結果なのですが、1990年時点では決して良くはないものの、他の国々もたいがいな所が多いおかげで、そこまで酷い結果とはなっていません。ところが、この20年の間に他の国々では劇的に女性の労働参加が進んだものの、日本はここでもこの流れに乗り遅れてしまい、イタリア・韓国と共にOECD最下位グループを構築する一角となってしまいました。



最後に、高等教育における男女の就学比率を見ましょう。こちらは1970年からデータがあったので、1970年からこれまでの流れを見てみましょう。(余談ですが、仕事で教育統計整備をしているので70年からデータがあるという点に、やっぱり先進国は凄いなぁと感動してしまいました。。。)
Presentation3.jpg
他のデータと全く同じ傾向なのですが、1970年当時はどこの国でも女子の就学状況は良好なものではありませんでした。しかし、この40年間で大幅に女子の就学状況は改善しました。丁度、高等教育を受けた女子が社会に出て労働参加率を押し上げたり、国会議員の女性比率を押し上げたような形となっています。しかし日本はというと、完全にこの流れに取り残され、現在に至っても女子の就学状況は男子よりも悪いままです。



さて、ここで話を急遽ここジンバブエに飛すのですが、なぜ豊かだった国がジンバブエドルみたいなもので有名になってしまったかというと、様々な要因がありますが、白人が持っていた会社や広大な農地を黒人に分け与えたのも一因です。格差を是正したいという意図は良かったのですが、如何せんまともな教育を受けていなかったので、広大な農地や会社を与えられても、経営できるはずがなく経済が混乱に陥いっていきました。

また、私の所属している組織も基本的には3年に1回は転勤、しかも世界中のどこにいくかも分からないし、自分で空席に応募していくので、空席がなければ失職ですし、競争に負けても失職というなかなか厳しい労働環境となっています。そんな環境ですが、女性職員の方が圧倒的に多いですし、管理職にも数多くの女性を見かけます。そして、彼女達の多くは一流大学の大学院まで行っています。

これらの事を考えると、確かに労働環境の問題も大きいのでしょうが、現在の日本の女子教育の状況では女性管理職を増やすことなど無理な話ですし、上手くいくとも思えません。どうしてもクオータを割り当てなければならないのであれば、企業や国会議員以上に、大学に対して割り当てる事が求められると思います。他国が大幅に女子教育を改善し、女性の管理職を増やした(奇遇にも日本の失われた20年と合致するのですが。。。)のにキャッチアップするためにも、女子教育の推進をして頂きたいものです。



とは言うものの、これまでずっと女性上司の元で働いてきましたし、どうも途上国生活に向いていないようなので、日本に帰って働いてみても・・・、あ、日本から仕事のオファーが来たことがなかった。。。(苦笑)
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 南部アフリカの車事情とユニセフのvisibility
2012年12月30日 (日) | 編集 |
ジンバブエでの新居に無事引っ越し、事務所の方から車を借りることもできました。

ジンバブエの車事情ですが、日本と同じ側の車線・ハンドルということもあって、おびただしい量の日本車を見ることができます。ハラレ市内でもいくつか自動車の輸入販売・中古車販売をしている会社を見かけます。ただ、セキュリティー担当の人からこの手の会社の車は整備不良の場合もあるので、できれば避けるように言われています。

では南部アフリカにある国連事務所ではinternational hireの職員に車をどうするように薦めているのでしょうか?それは、日本からの輸入です。私が日本人だから、というわけではなくどうやら一律に日本から車を輸入する事を薦めているようです。アフリカに居ながら日本の中古車を輸入するのは次のようなサイトを利用するようです↓↓
http://www.autorec.co.jp/



とは言うものの、日本から車を輸入するのには3カ月程度はかかります。ユニセフの場合は、赴任してから車が届くまでのしばらくの間、事務所の車をレンタルする事ができます。もちろん、レンタル料と保険料を支払う必要はありますが(事務所の車を借りる際、フルカバレッジの保険に加入する事が求められるのですが、ということは普段の保険はどうなっているのでしょうか…。)。

ここで重要な問題に直面します。現代の日本では車の多くはAT車で、実に新車販売の95%以上はAT車だと言われています。さらにこの流れを受けて、新規に免許を取る人の過半数がAT限定免許を取るようになったそうです。しかし、途上国を走っている日本車の大半はMT車です。もちろん、うちの事務所が持っている車も全てMT車です。

というわけで、免許を取った時以来のMT車運転をする事になりました。初日は事務所の前のスペースで10分ほど練習した後、街中の運転を始めました。信号で止まって発進する際にはほぼエンストをしていたので、練習も含めると一日で50回ぐらいはエンストをしたような気がします。ここハラレ市内は基本的には坂が少ないのと、前の車がエンストしてもクラクションを鳴らさないような市民性があるのでよいのですが、これがアフリカの別の都市だったらとんでもないことになっていたと思います。。。もしこの記事を読んでくれた方で、国際協力の分野に進みたいと思っていて、まだ車の運転免許を取得していないorAT限定解除に行ける余裕がある人は、MT免許を取得しておくことをおススメします(苦笑)

Car.jpg

さて、上の写真が実際に借りてきた車です。ナンバープレートとか出して大丈夫か?と思われるかもしれませんが、ご覧のナンバープレートではこの場で隠しても全く意味がありません。。。

ちなみにですが、危ない地域に出張に行く時にはユニセフのTシャツを着ていく事が推奨されています(ジンバブエには今の所そのような地域は存在しませんが)。ユニセフはvisibilityを高める事が安全に繋がる(幹部レベルだと話はまた別かもしれませんが)と考えているようです。これまでの仕事ぶりを考えれば、人々に信頼されることはあっても、襲われることはないだろうということで、恐らくこのナンバープレートもその一つだと思われます。中東で国連の事務所が襲われているので、本当にそうなのかなぁとやや疑問が残る所ではありますが。。。



今年もそろそろ終わりですね。といっても世界銀行と同様に、ユニセフも12月31日も仕事だし、1月2日も仕事なので、全然年の瀬と言う感じはしませんが。。。みなさま、よい年末をお過ごしください。

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